エレメンタリーホームズ＆ワトソン in NY #7 「忘れたい過去」

「忘れたい過去 / One Way To Get Off」

とある家に入った覆面強盗が頭を枕で巻いた住人二人を射殺する。ホームズ
はアイリーンの件（前回参照）でまだムッツリで口も聞かない。ワトソンが
詫びを入れて手打ちとなるが、グレッグソン警部からの連絡メールを見て
一人で現場に向かう。

資産家マイローズの屋敷に強盗が入り夫妻を枕で巻いて射殺し金庫から現金を
奪う事件が発生。現場の凄惨さを見て1999年に発生したウェード・クルーズに
よる連続資産家強盗殺人事件を思い出す。その時は3件起こしたクルーズが
グレッグソンによって逮捕されたのだ。今回は酷似していて警部は模倣犯に
よる犯行と見たが、ホームズは元共犯者による犯行と断定する。

ホームズは服役中のクルーズへの面会を警部に要求するが、どうせロクな事
は言わないと却下される。そこへワトソンが来て逃げられた文句を言うが、
まだムッツリなホームズに呆れてしまう。

ベル刑事の調べでマイローズ夫妻は建築業者のジュリアン・ウォルシュから
脅迫されていた。実はキッチンの改築がずさんで解雇した為に逆恨みして
脅していたのだった。直ぐにウォルシュの自宅に警部らは向かう。彼は
マイローズ夫妻への脅迫は認めるも殺害は否定。だがホームズが地下室に
入ると女性を監禁していたのだ。警部は速攻で逮捕する。

ワトソンは以前ホームズが入所していたリハビリ施設に出向き所長に話を聞く
が、ホームズは女性の話どころか男性の話すらもしていなかったらしい。

監禁されていた女性カーチャは売春婦でウォルシュに買われて監禁されて
毎晩彼の相手をさせられていたと言う。つまり彼には昨晩のアリバイがあった。

ホームズはマイローズ夫妻殺害の銃弾とクルーズの犯行の銃弾の線条痕が
一致しているのを指摘。今回も同じ銃が使用されていたのだ。

警部の元に女性刑事テリーが訪ねて来る。実はホームズが勝手に呼んでいたのだ。
会議ではあらゆる面での可能性を考える。とりあえず警部はクルーズに面会
に行く事になったが、どうやらテリー刑事とは訳ありの様子らしい。

ワトソンは施設の女性職員に話を聞くがやはりホームズの評判は芳しくなく、
彼の事をクソミソに言う。庭師に聞くと彼とは気持ちが通じたのか？ホームズを
良く言っていた。

クルーズと面会する警部だが自分は無実だと言い張るクルーズ。見つかった証拠
も警部の捏造だとぬかす始末。

ワトソンは庭師にアイリーンの事を尋ねるとホームズが残していった手紙数通を
手渡す。それはアイリーン・アドラーから届いた手紙だった。

クルーズの恋人だったカーラの家へ出向くホームズと警部。だが彼女の息子が
母は4年前に病死したと話す。だがホームズは警部が面会の時に明らかに動揺して
いたと指摘するが、あくまでクルーズが犯人に間違いないと断言する。

ホームズは自宅でクルーズの逮捕時の聴取映像を見る。するとクルーズが飲む
コーヒーのカップが紙コップから次はマグカップに代わっていた。そして事件
の証拠品として押収されたマグカップと同じだった。つまり証拠は捏造だった。

ホームズは警部に会ってマグカップが同じだった件を尋ねるがやはり捏造は
していないと言う。だが彼の表情には動揺が・・

ワトソンは帰宅後、ホームズに庭師から預かったアイリーンからの手紙を渡すが、
彼は要らないと言ってジューサーに入れてしまう。

ホームズは前回の事件の容疑者で別件で逮捕されていて出所したビクター・ナーダン
という男に注目し、今彼がいるモーテルを突き止める。

街中で落ち合う警部とテリー刑事。実はテリー刑事がマグカップを証拠として
捏造したのだった。当時は気がつかなかった警部がホームズの話で確信したの
だった。だがテリー刑事は開き直る始末。

ホームズとワトソンはナーダンが偽名で泊まっているモーテルへ出向く。部屋に
応答はなく施錠もされていたが針金でこじ開けて中に入る。そしてめくれた
カーペットを見つけてその下の床をこじ開ける。そこで警部からの電話で、また
殺人事件発生。その事件の銃を床下から発見する。

同様の手口で今度はウィリス夫妻が殺害され、偶々客として居合わせた男性
エイムズも射殺された。ベル刑事からは部屋に帰ったナーダン確保の連絡が
入るが、ホームズは彼は無罪だと断言する。

ホームズは部屋の天井に付着したボールを投げ当てた青い跡を見つけていた。
それは単眼（つまり片目しか見えない）を示す。その目ではエイムズは射殺
出来ない。これはクルーズの協力者が実行犯だと断言する。だが確たる証拠
がなく、目ぼしい犯人もわからない。

クルーズは逮捕時は読み書きすら覚束ない筈だったが、今やトルストイ等の
文豪を引用するまでになっていた。彼は刑務所内の図書館で読み書きを誰かに
教えてもらっていたと推測する。そしてその図書館の支援団体にカーラを
訪ねた時に会った息子ショーンが所属していたのだ。

ホームズとベル刑事はショーンに会って話を聞く。彼は母親の残していた日記
から自分は殺人鬼クルーズの実の息子と知り、興味を持ち彼のいる刑務所の
図書館にボランティアで通い始めたのだ。そして徐々に彼に読み書きを教える
間に洗脳されていたのだった。惚けるショーンだがホームズは「父親は君が
服役しても面会にすら来てくれないぞ」と忠告する。